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脊椎内視鏡低侵襲手術
当院では椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の除圧術は全て内視鏡で行っています。
手術創は1−2cm、入院期間も切開手術と比べて著しく短いのが内視鏡手術の特徴です。
脊椎内視鏡手術が施行可能な医療施設はまだ少ないため、近隣の先生方から数多くのご紹介をいただき、地域の内視鏡手術を積極的に引き受けております。
内視鏡低侵襲手術の最先端技術を患者様に提供できるよう努力しております。
手術はすべて日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術技術認定医の吉原医師が行います。 手術日は月曜日と金曜日の午後で、全ての手術が健康保険の適応となります。
椎間板ヘルニア
通常の椎間板ヘルニアであれば、FED手術(旧PED)で対応しております。
FED手術では施行困難な巨大ヘルニアや脊柱管狭窄症を合併した例では、MED手術の適応になります。
当院では、MED、FED、PN(Disc-FX)という3種類の手術が可能です。
さらに手術に至らない症例では、椎間板内酵素(ヘルニコア)注入療法を1泊2日で行なっています。
(注:ヘルニコアは、指定医師・病院の認可が必要ですが、当院は認可をいただいております)
椎間板ヘルニアの手術患者さんの駆け込み寺として、最も需要が高いのがFED手術です。入院期間は通常2泊3日ですが、症状によっては延泊を必要とします。 手術費用は、患者様の年収や負担割合によって変化しますが、健康保険と高額療養費助成制度を利用して10万円前後になる場合が多いです。
脊柱管狭窄症
当院では、MEL、FEL、DPELという3種類の手術が可能です。内視鏡の大きさとしては、MELが最も大きく、ついでDPEL、最も小さいのがFELになります。 狭窄の度合いや、狭窄箇所数によって適応を決めていますが、MEL手術の適応が最も多いです。 どんなに高齢であっても内科的に全身状態が良好であれば手術が可能です。 手術後わずか3時間で歩行を開始して早期からリハビリも始まりますので、寝たきりにはなりません。
脊柱管狭窄症の手術適応になるのは、高齢の方、もしくは罹病期間が長い方です。したがってそれなりに下肢筋力が低下していますので、入院期間を数日間縮めて早期退院を目指すよりは、じっくりとリハビリを行うことが大切と考えています。
最も需要が高いのがMEL手術です。入院期間は約1週間ですが、症状によっては延泊を必要とします。 手術費用は、患者様の年収や負担割合によって変化しますが、健康保険と高額療養費助成制度を利用して10万円前後になる場合が多いです。
腰椎すべり症
スクリュー・ネジなどの金属を使った固定術を勧める医師・病院が多いのが現状です。
しかし不安定性を伴わないすべり症や罹患年齢によっては、すべり症自体は進行しません。
そのため当院では原則としてすべり症によって2次的に生じた脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに対しての内視鏡手術を行っています。
成績は良好でほとんどの方が内視鏡手術だけで完治しています。体の中に金属が入らなくてよかったと好評です。
頸椎内視鏡手術
全国的に見ても頸椎内視鏡手術が施行可能な病院はまだ少ないですが、 当院では1−2cmの切開で頸椎FEDや頸椎MEDといった内視鏡手術を行っています。 全身麻酔下の手術で約1週間の入院が必要です。
症状が軽度の場合には、エコーを用いた頚椎神経根ブロックを外来で施行し、入院や手術が不要になる場合も多いです。 症状が重度で下肢に及ぶ場合には、内視鏡手術の適応でなく、小切開での頚椎椎弓形成術を考慮します。
脊椎(胸椎・腰椎)圧迫骨折低侵襲手術
骨粗鬆症が原因で胸椎や腰椎に圧迫骨折を生じた場合に、セメントを用いた経皮的椎体形成術を行っています。 全身麻酔で2泊3日の入院で行っています。 手術時間は30分ほどで、傷も左右に各5mmだけなので、術後すぐに痛みがとれて楽になります。
ただし大切なことは、骨粗鬆症が原因で骨折したのですから、手術に引き続いて骨粗鬆症の治療をしっかりと行う必要があります。 この術後の治療に関しては、当院はもちろん、お近くの整形外科で薬を処方していただいても構いません。